2014年 01月 21日
天然イワナの将来 1パーセントまで落ち込み残りわずかになってしまったイワナではあるけれど、イワナ属世界分布最南限極寒地において今なお逞しく棲息する天然イワナは健在だ。ここまでイワナ渓流師が山釣りをやってこられたのは先人たちによる、遡上止め滝下部から渓魚を移殖放流した自然遺産があったからだ。そのイワナたちをよってたかって無差別に争奪してしまった結果、天然イワナは極端に減少したのである。 イワナに携わって50年余、先人たちに見習い下流部と上流部へのイワナ交流を果たしたおかげで、あまり知られていない源流に限ってイワナの復活を見た。また移殖放流というイワナ大儀に共有する同胞たちの輪が広がり、夢のイワナ舞台登場もできつつある。幸いイワナ空白部がかなり残され新たな移殖放流を積極的に実施させれば、1パーセントイワナから10パーセントイワナ棲息は可能であると信じている。 「弁当箱あるいはビニール袋に稚魚を入れて運んだ。」こんな先人の苦労を重ねた放流談からい今では便利な生かし箱、布びくまで進化した移殖放流グッズがある。その道具を使い魚止め滝からイワナの棲んでいない上流へ渓魚を運んでしまえば新天地イワナ誕生への幕が開ける。 度重なるイワナ遍歴のわずかな時間を割いてイワナを育てた。再訪問の機会を設けイワナを見に行く。そこには信じられないイワナ魚影を発見できる。あるはなんらかに事情があって魚影なしだったこともあるが、そんな場面は新たな試作を試みる。新しいイワナたち誕生にいたれば、山釣りでイワナを釣ること以上の歓喜があり胸に厚いものが走る。これらは実際に移殖放流をやった人だけが体験できる何ごとにも勝る快感である。 大寒の今、渓流釣り解禁まで先は長い。 越冬イワナに共感する渓流師出番を願ってやまない。
by yuuyuugaku-ueno
| 2014-01-21 15:24
| 岩魚物語
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