新・自然遊悠学

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2014年 07月 19日

849 山釣りin北海道その4 final

 北海道イワナ事情

 1990年頃

 北海道といえば大イワナ夢をいとも簡単に実現できる舞台を提供してくれる、イワナ渓流師にとって夢イワナ場だから都合7回、北の大地にあ繁く通った。この間、気のあった釣友がいて、道北宗谷には鶴松さん、道東には西名釣鬼さん、道央には河邑さんがいて、集中釣行が終われば気楽に立ち寄り、遡行疲れを休ませてくれる食事付き無料宿泊地を提供してくれた。そのおかげで例年およそ1ヶ月続くロングランイワナ旅が可能になった。
 当時から道内渓流釣り人といえば以下のような渓魚についてのランクがあった。
 1位 クロンボ釣り→良型ヤマメのこと。
 2位 新子釣り→ヤマメの子供釣り。
 3位 ニジマス釣り→イワナ渓にニジマスを放流し繁殖させてニジマスを釣る。
 以上のごとく、北の大地ではイワナという渓魚釣りは渓流釣での対象外、道内内水面漁業法ではサケ、マスを食う害魚扱いとなり、1年中イワナ釣りが可能なのである。そこで渓流釣り場にニジマスを放流し、釣りを楽しむことが合法的に実施されていた。幸い、奥イワナ場には繁殖していなくて、道内遠征イワナ釣行を可能であった。けれども道南ではニジマス放流が盛んに行われ、その理由から私の道南でのイワナ釣りを全く実施することはなかった。
 なぜニジマスを道内釣り人が珍重するかといえば、道央地域がオショロコマ棲息県内であり、奥地イワナは棲息せず、イワナに対する食する習慣がなかった。なんといっても蝦夷地はアイヌ民族地であり、食べてうまく保存がきく、サケ、マス文化圏が多大な影響を与えた気がする。その一環で明治の頃から盛んに原日本人が大挙して道内へ移住定着、そこでアイヌ文化を伝承、サケとマスに近いニジマスを大切に扱い、渓流釣りの対象としたのであろう。

 
 2014年7月14日ある渓にて

 あれから20年余、今回のイワナ場がどのように変化しているか。昔のままであってほしい。前と同じであれば、ここで50センチイワナを釣った実績があり、大型イワナを堪能する目的で、栃木県からやってきたのだ。
 しかし、私の期待は見事にハズレ、第一投目からニジマス登場と相成った。それは「イワナを我が伴」すること50年、ひたすらイワナだけを追求することを心情とする私にとって、計り知れないカルチャーショックを与えた。想定外の出来事に、、、、。
 案の定、イワナ場はニジマスに占領され、大型イワナにもかかわらず、魚体は痩せ細り、かつてここで釣り上げた丸々肥えたイワナではない、哀れな姿に変身しているではないか。失望はピークに達し、失意のどん底に追いやられた心境で立ち直れないでいた。

 去るもの残るもの

 日本の奥山渓流にイワナとオショロコマが棲んでいる。地球規模温暖化影響で現在、道内内陸部と道東一部しかオショロコマはいない。それは自然現象での渓魚減少であるから仕方なく、滅亡の道を歩む対策は皆無だ。以下は道内イワナについて考察してみる。
 ニジマス放流は全道的規模で実地されているように思える。イワナ渓にニジマスを放せば環境に摘要、確実に繁殖は可能と見た。現に、今回の釣行の際、おびただしいニジマス稚魚を散見した。私の知識ではニジマス産卵が5月ごろであるから、その理由を確認できる。ただいまニジマス増殖は最盛期を迎えたようだ。その現象ときたら、新天地に君臨する渓の王者のごとく生態系のなかにいて、渓流に残る新しい一員となった。
 その反対に、かろうじてニジマスと混生するイワナときたら、かつての王国は失われオショロコマ同様、滅び去る渓魚となった気がする。このままの状態位が推移すれば、やがてイワナ不在渓流になってしまうかもしれない。それはイワナ愛好家諸氏にとって残念無念としか言い様がない。

 今後の課題

 ほぼ全道的に放流されたイワナ渓へのニジマス、このままではニジマス天国誕生の日は近い。ロシアやアラスカやカナダへ大型レインボートラウト自然繁殖地への釣行には及ばず、北海道で簡単に50センチ60センチ70センチ大型ニジマス釣りができる。それはニジマス釣りファンにとって朗報であろうが、生態系のなかでイワナ消滅を意味する。
 確かに北海道ではイワナはサケ、マスの産卵卵および稚魚を食う害魚だ。渓流を奥まで遡行して山釣りを楽しむ本州イワナ渓流師の悲しい悲鳴が道内釣行で当たり前になった事実は遺憾に思う、、、、。残念ながらイワナ復活の手段はなく、このショックからしばらく立ち直れないでいる。
 しかし、このまま放置してなにもしないことに、いささかな試み希望をつなぎたい。具体的にはニジマス遡上限界である魚止め滝以遠に、滝下部に棲んでいるイワナを移殖放。、幸い、道内釣り人たちのキャンプ釣行はほとんどなく、魚族不在地イワナ放流への反発はあるまい。まとまった山岳渓流群一角に、新しいイワナ棲息地を築いて挙げられれば道内でイワナは生き続けることも可能だ。イワナを滝上に放流する移殖放流は本州内陸部で実施され、かなりの成果が実っている。
 微力ながら一人のイワナ愛好家として本州同様イワナを増やしてやれば、何年後か知らない確実にやってくる、冥土への手土産になる、この年まで岩魚が私を育て救ってくれたラストボランテアとなる、イワナへの恩返しだ。
遠征釣行イワナ旅での朗報といえば、昨年夏、桧枝岐硫黄沢遡行で右膝を痛めリハビリ中であったが、今回の12時間遡行釣行に耐えてくれた右膝痛、まだまだイワナ釣りができる予感がして、そのことがウニ丼を平らげた以上に嬉しかった。この事実は70歳からの新イワナ10カ年計画に対して大いに寄与され、イワナと共存できるエネルギーを生み、シルバー人生への励みとなることは確かだ。さすれば道内遠征釣行可能となり夢イワナ舞台実現に向かって第一歩を歩むことができる。
 私のイワナ遍歴は当分続行される。

   最後に

 北海道遠征イワナ釣行における全費用は同行者今井亮氏が負担、私は1円も使うことなく釣行を終えた。紙面を借りてお礼申し上げます。

 お・わ・り




  
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by yuuyuugaku-ueno | 2014-07-19 09:59 | 岩魚物語


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