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新・自然遊悠学

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2014年 12月 01日

984 アカマツ調査終わる

 アカマツという針葉樹

 マツ科マツ属常緑高木別名メマツがアカマツだ。本州、四国、九州の山地に分布している。典型的な陽樹で日当たりの良好な尾根に自生地がある。樹肌が亀甲型に割れ上半分が赤く自ら樹形を盆栽型に整えているから、一見して誰から見てもアカマツは確実に判定できる。
 アカマツといえば、きのこだ。およそ20から30種のきのこと共生関係が成立するから、きのこ狩りファンにとって、アカマツ林を探索すれば、何らかのきのこたちと出会えることが多い。特に里山の王様マツタケ、ホンシメジ、シシタケなど高級きのこをアカマツは育んでいる。

 マツタケ

 私のきのこ遍歴をたどってみると、山釣りイワナを生涯の伴として各地を転戦、奥山キャンプの際、ミズナラから発生しているマイタケに執念を燃やし、縁あって栃木県北部三依地区に居を構えてから現在まで、きのこ狩りといえばマイタケを指しそれなりの成果を生み、マイタケ師への強い憧れが今も継続中だ。
 私にも一丁前に親兄弟がいて、なかでも東京在住の姉様おばさんときたら、「きのこといえばマツタケ。」との一点張り、マイタケなどは無関心、それではマツタケを贈ってやると決意し、昨年度から贈答用高級マツタケを宅急便にて配送する。すると桁違いの現金が舞い込み自然遊悠学軍資金にかなり貢献してくれた。

 アカマツ調査

 マツタケをものにするにはアカマツ林へいけばよい。それにはアカマツがどこにどのような形で分布している事実を確認すればよい。自分の趣味に対する徹底ぶりは半端ではなく、アカマツ自生地をしらみつぶしに調査開始したのが11月から、南から北へ順次山入り。アカマツ林をくまなく探索すること1ヵ月余、大方のアカマツ自生をこの目で寸文の狂いなく垣間見ることができた。これまでにみたアカマツ林は里山にあって、マイカーを捨ててから1時間程度でアカマツ自生地は消え、アカマツに育てられているマツタケが里山きのこである所以がここにあったことを改めて知る得た。

 マツタケコース

 アカマツ林を確認できたとはいえマツタケ採集への課題は残る。アカマツ帯があればマツタケのシロが存在する理由にはならない。30余のアカマツ林調査中、マツタケシロは2割程度であろう。苦戦したのが地元マツタケ採集人はすでに世を去り、マツタケのありかを教えてくれる人はいない。たとえ知っていても親兄弟とてマツタケ自生地を明かすことはないのだ。それは一度マツタケシロを発見してしまえば、60から80年間同じ場所にマツタケを発生継続してくれる菌の寿命にある。人の寿命と同じぐらい長生きすることができるマツタケ菌であるから、おいそれと他人へシロのありかかは教えてもらえないのが一般的なのである。マツタケシロをものにできればその発見者は自分の生涯、マツタケを採ることができる。
 マツタケシロは当然、自分自身でアカマツ詣でをやるしかない。そこで知り得たアカマツ林とアカマツ林をつなぐマツタケロードを構築する。さすればマツタケシロにありつける確率が高い。それにはマイタケ狩りで学んだ樹渡りトラバースが役に立つ。尾根と尾根を結ぶ最短コースをものにできれば、おのずからマツタケは我が手に転がり込んでくる。
 月まくりカレンダー最後になった。尾根が見渡せる今、きのこ夢を実現するためさらなる山行きに励み、無駄のないマツタケロードを確立したい。ここはあわてることなく3年から5年後を目安に、のんびりゆっくりマツタケ激戦区への仲間入りに挑戦する。

by yuuyuugaku-ueno | 2014-12-01 16:26 | きのこ自然誌


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